  [毛利隆元] | そ、颯馬! 私、その……全然わからなくって…… |
| [天城颯馬] | わかってます。大丈夫ですから |
| 隆元様を安心させる為、と言うよりも自分を落ち着かせる為の何かの呪文のように大丈夫と繰り返す。 |
| しかしもう俺の抑えは効かなくなっていた。 |
  [毛利隆元] | あっ……! |
| [天城颯馬] | どうして隠そうとするんです? |
| 服をずらして上半身を露出させると、隆元様は胸を隠そうともぞもぞ腕を動かした。 |
  [毛利隆元] | で、でも……恥ずかしいよ |
| [天城颯馬] | 灯りが消えてるから、それほど恥ずかしくもないでしょう? |
  [毛利隆元] | 暗くても恥ずかしいよ……颯馬が私の胸ばかり見てるのは見えるもん |
| [天城颯馬] | ……これは失礼しました |
| 隆元様の言う通り、胸から目が離せない。 |
| これだけ長く一緒にいても見るのは初めてだからな……そう考えると目が離せないのだ。 |
| しかしそれで隆元様が嫌がるのなら仕方が無い。 |
| [天城颯馬] | それならば、胸は見ないことにしましょう |
  [毛利隆元] | うっ、うん……ありがとう…… |
| [天城颯馬] | でも、これから何をするのか、わかっているんですよね? |
  [毛利隆元] | うん……一応お母さんに一通り聞いたよ…… |
| これからすることを思い出したのか、隆元様は一瞬顔を赤く染める。 |
| しかしまたすぐに元の表情に戻った。 |
| 小動物のように、ふるふると泣きそうになりながら唇を震わせている表情だ。 |
| [天城颯馬] | それなら、次は下を…… |
  [毛利隆元] | あっ、ちょ、ちょっと待って颯馬……まだ心の準備が…… |
| [天城颯馬] | 申し訳ありません……もう、無理です |
  [毛利隆元] | えっ……颯馬っ!? |
| 隆元様の制止の声も聞かずに、俺は隆元様の下着を脱がしその下半身を露出させる。 |
  [毛利隆元] | あうっ………… |
| もうここまで来たら俺も止められない。 |
| 元就様との約束なんて無かったとしても乱暴になんてするつもりは無かったが、だからといってのんびりする程の余裕も無い。 |
| 下着まで脱がされて、隆元様はもう抵抗する気もなくなってしまったようで、ただ固く目を閉じただその身を震わせるしかなかった。 |
| [天城颯馬] | 隆元様…… |
  [毛利隆元] | ……………… |
| [天城颯馬] | それじゃぁ……始めますよ? |
  [毛利隆元] | ………………うん |
| ぎゅっと目は閉じたまま、隆元様は観念した様子でこくりと頷く。 |
| そんな彼女の大事な部分へと手を伸ばす。 |
  [毛利隆元] | ………………っ! |
| 俺の手の感触にびくりと震える隆元様。 |
| その瞳にはうっすらと涙を浮かべていた。 |
| そんな彼女の涙に、俺の頭は一気に冷静さを取り戻す。 |
| 本当に良いのか? |
| 俺は考えないように頭の片隅に追いやっていた疑問をもう一度深く考え始めた。 |